給与制のサラリーマンをしている内はあまりなじみがないと思いますが、アパート経営の収入を一定額以上得ている場合の確定申告には、事業税が大きく関わってきます。今回は、自身で支払う個人事業税についての説明と、支払い額の目安についてお伝えしていきます。
そもそも事業税とはどのような税金なの?
個人事業税は、個人で事業を行っている(70種の業種に分類されています)場合に課せられる税金です。自分はサラリーマンなので個人事業主ではない、と思われる方も多いですが、税務署はそのような判断はしてくれません。サラリーマンでもアパートによる家賃という収益を得ている方は、不動産貸付業という個人事業を営んでいるとの判断がなされます。
また、事業税が設けられている根拠について覚えておきましょう。個人事業を営む場合、利益を生むために公共施設や道路などをはじめ、行政が整備した環境を多用すると考えられています。
前述の施設を積極的に利用する分、行政経費の一部を担ってもらおうという目的があり、結果事業税として徴収されています。
ただし、事業税の対象になりにくいアパート経営者もいます。おおよその目安として、アパート10室以上の場合は事業税の徴収対象者になると考えてください。
事業税はいったいどのぐらいかかるの?!
個人事業税は、業種によって税率が変動しますが、おおよそ3%~5%かかります。アパート経営では5%に制定されております。
計算方法を提示すると、
(不動産所得-必要経費-事業者控除290万円)×5%
となります。
事業税を計算する場合のポイントは3つあります。
1.控除額として290万円差し引くことができる
すなわち、課税される所得が290万円までの場合は、事業税はかかりません。
2.青色申告特別控除前の不動産所得
青色申告で複式簿記を選択した場合の控除額「65万円」を引く前の状態で計算してください。
3.経費としての計上が可能
所得税や住民税と異なり、経費として計上できます。
以上の3つを意識したうえで計算例を挙げます。
青色申告を選択したオーナーで
不動産所得 400万円
必要経費 50万円
の場合、
400万円-50万円-290万円=60万円 の所得と計算できます。
ここで注意してほしいのが、
「65万円の特別控除を利用すれば事業税がかからないはず」という勘違いです。
先ほどもお伝えしましたが特別控除を引く前の状態で計算しなければなりませんので、
60万円×5%=3万円
よって、3万円の事業税がかかります。
計算自体は難しくはないので、以上のポイントを忘れずに試算するとスムーズに支払額が分かるでしょう。